はじめに


所市商工観光課では、市内観光ルートとして「葛城の道」と「巨勢の道」をインターネットのホームページでPRしている。「巨勢の道」とは、「葛城の道」と対峙する形で、葛城盆地の東側を南北に走る歴史街道である。古代豪族の巨勢氏が本拠地としていた古瀬谷を通ることから、この名が付けられた。

巨勢の道
巨勢の道イラストマップ(御所市役所商工観光課のご厚意により御所市ホームページから転載)

勢道は、飛鳥から宇智郡五条(現在の五条市)を経由して紀伊国に至る古道を指す。下ツ道の南端にある欽明天皇陵付近から、佐田・森・戸毛・古瀬より巨勢川(曽我川上流)を過ぎ、重坂(へいさか)峠を経て宇智郡真土峠に入る道のことである。持統天皇はこの古道を通ってしばしば吉野へ行幸した。その回数は30回以上におよぶという。

001年11月7日、ふと思い立って巨勢の道の散策に出かることにした。冬の到来を告げる木枯らし一番が例年になく早く吹き荒れた翌日のことである。一般には、近鉄「葛」駅からスタートして、安楽寺 → 巨勢寺塔跡→ 阿吽(あうん)寺 → 水泥古墳と見て回って「吉野口」駅に戻る約8kmの道のりがお勧めのコースである。

かし、この歴史街道には葛木坐御歳(かつらきにいますみとし)神社も含まれている。中鴨神社との通称を持つこの国道24号線沿いの神社まで足を延ばすとなると、かなりの道のりを覚悟しなければならない。さらに前回の「葛城の道」散策では、下鴨神社と呼ばれる鴨都波(かもつわ)神社も訪れなかった。事のついでにこれらの神社も散策路に含めるとすると、徒歩では到底無理だ。そこで愛用のチャリンコを駆って出かけることにした。木枯らしは朝方までにおさまったというものの、手の甲や頬に当たる空気はヒンヤリと冷たかった。



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