希望の光:17回目を迎えた神戸ルミナリエ

撮影 平成23年12月12日


12日間に訪れた約342万1千人を包んだ神戸の光の祭典

Kobe ルミナリエのチラシ

■ 『神戸ルミナリエ』は、阪神・淡路大震災犠牲者の鎮魂の意を込めるとともに、都市の復興・再生への夢と希望を託し、大震災の起こった1995年の12月に初めて開催された事は知っていた。毎年、年末になるとその華やかなイルミネーションがテレビのニュース番組でも取り上げられ、今年で17回目になる。だが、一度も会場に足を運んで実際の光の輝きを見たことがない。そのことを何かの機会に知人に話したことがあったようだ。

■ 本人はすっかり忘れていたが、知人はそのことを覚えていて、昨日電話で一緒に見に行こうと誘ってくれた。本日が開催期間の最終日で、点灯は18時からだが、混雑が予想されるので少し早めに出かけようと16時30分に大阪駅で落ち合うことにした。

■ 17時すぎにJR元町駅に着いたが、すでに駅の改札から人の波の大混雑が続いていた。交通規制が敷かれた一方通行道路を交通整理の警官の指示に従って、幅広い帯となって進む。神戸ルミナリエ会場に到着するまでは、実に複雑な迂回ルートが入口まで設定されている。さらに本日は最終日とあって来場者が多く、会場の随分手前で行列の進行にストップがかけられた。

神戸ルミナリエ会場までの通行路
■ ルミナリエとはイタリア語で、小電球などによる光の装飾(イルミネーション)の事だそうだ。会場に当てられた居留地内の仲町通り東園地を独特の幾何学模様で構成されたイルミネーションの飾りは、神戸の冬を彩る荘厳な光の芸術作品と言えよう。

■ 毎年ルミナリエのテーマか変わる。今年のテーマは「希望の光」。製作を指揮したのはダニエル・モンテベルデ氏で、彼がデザインしたテーマに合う部材をイタリアから選んで、イタリア人職人と日本人スタッフのコラボによって組み立てた。使用した電球の数は合計で約20万個に達する。ただし、その点灯には自然エネルギーで発電されたクリーン電力が一部使われているそうだ。

■ 「希望の光」は5つの部門から構成されているそうだ。「フロントーネ(聖なる暗号の解読)」、「ガレリア(未来をみつめて)」、「ミニアトーレ(精霊立ちの庭)」、「スパリエーラ(不死鳥の中庭)」、「フォンテ(祈りの泉)」の5つだ。来訪者の一人一人はルミナリエの入口でそれぞれの鍵が封印された聖なる暗号を解読して門を入ると、トンネルを抜け、精霊立ちの庭や不死鳥の中庭、祈りの泉を巡って、最後で念願の希望の光を享受するという構成になっている。

駅から続々と会場に向かう来訪者 アクセスの途中で札止め
駅から続々と会場に向かう来訪者 アクセスの途中で札止め


■ 来訪者の多さに驚いたのか、主催者側はルミナリエの点灯を30分早めるとのアナウンスが流れた。17時30分、今まで札止めをくっていた行列が動き出した。警察官の指示で交差点を左折すると、正面に華やかなイルミネーションが聳えていた。フロントーネである。ここで人々はそれぞれの「聖なる暗号」を解く鍵を解読することを求められる。聖なる暗号とは、それぞれが抱える人生の問題を解決する鍵の象徴だ。夢と願いという鍵で聖なる暗号を解読してから、門を通り抜けることを要求される。

希望の光の入口「フォロントーネ」 ロントーレの上部
希望の光の入口「フロントーネ」 フロントーネの上部


■ フロントーネの門をくぐると、居留地の仲町通りに築かれたガレリア、すなわち光のトンネルに導かれる。ガレリアは、旅人が未来を見つめ、また希望を持って未来に目を向ける力を与えてくれることをイメージしているという。。

光のトンネル「ガレリア」(未来をみつめて) 同左


■ ガレリアを抜けると、「ミニアトーレ」(精霊立ちの庭)に足を踏み入れる。ここには、超自然的な愛の存在である精霊がいるという。旅人は、いつも精霊たちに見守られているのを知って、勇気を手にする。

ミニアトーレ(精霊立ちの庭) ミニアトーレの前の祈りの鐘
ミニアトーレ(精霊立ちの庭) ミニアトーレの前の祈りの鐘


■ 精霊たちの庭を後にして歩み続けると、旅人は円形のスパリエーラ(不死鳥の中庭)に導かれる。ここで旅人は、灰から蘇って永遠の時を生きる不死鳥の光の洗礼を受ける。そのことで、魂は不滅であり、永遠の時を生きるろいう魂の秘密を知る。

不死鳥の中庭 同左
不死鳥の中庭 同左


■ 未来を見つめる力、勇気、魂の秘密を手にした旅人は、最後に祈りの泉にたどり着く。ここでわき出る泉の光で、旅人は平和と至福で満たされ、念願の希望の光を享受する。

フォンテ(祈りの泉) 同左
フォンテ(祈りの泉) 同左


祈りの泉で水面に映し出された逆さイルミネーション
祈りの泉で水面に映し出された逆さイルミネーション
■ 大勢の来訪者に混じって旅人の一人として「希望の光」の門をくぐった。まばゆいばかりの光の饗宴に驚かされたが、それ以上に、次から次へと会場に押し寄せる人の波には唖然とさせられた。阪神・淡路大震災犠牲者の鎮魂のために始められた祭典なら、もう少ししめやかなものだと思ったが、予想に反していた。来訪者のほとんどは若い世代である。デジカメを掲げてイルミネーションの撮影に余念がない。彼らには当初の目的である震災犠牲者を鎮魂するイベントの意味合いが薄れて、クリスマス時期の単なるイルミネーションイベントとしか見えていないのだろう。

■ ハプニングがあった。円形の不死鳥の中庭で迷子の男の子に出会った。聞いて見ると、母親と祖父に連れられてきたらしい。さかんに「ママ、オジイサン」を呼びかけているが、雑踏の中ではその声は届かない。しばらく、その子の手を引いたり、抱き上げたりして家族が捜しにくるのを待ったが、近くにそれらしい人物の姿が見当たらない。やむを得ず近くの関係者に迷子の手続きをお願いして,その場を離れた。気丈夫な男の子だった。まだ2歳か3歳くらいに見えたが、母親と離れても鳴き声一つあげなかった。

■ 神戸ルミナリエ組織委員会によると、来場者数は12日間で約342万1千人。昨年より1万3千人減ったそうだ。節電のため、月曜から木曜日までの点灯時間を30分短縮したことなどが影響したようだ。




2011/12/13作成 by pancho_de_ohsei

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