橿原日記 平成18年9月18日

「光の回廊」で浮かび上がる幻想の世界・古都飛鳥

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板蓋宮跡を彩る光の数々(2006/09/18 撮影)


ロウソク立て
年も彼岸花の季節を迎えた。この時期、かっての飛鳥古京の面影を今もとどめる明日香村で、「彼岸花祭り」と「光の回廊」の催しが行われる。「彼岸花祭り」は忘れつつある自然への感謝と薄れ行く人の絆を取り戻すための祭りで、共に楽しめる行事が石舞台地区や稲渕地区でいろいろ繰り広げられる。

光の回廊」は夜の6時から9時までの3時間、村内の主な道路の両脇にロウソクの列が点灯され幻想の世界を浮かび上がらせる。この時間帯は主な観光スポットもライトアップされ無料で見学できるため、大勢の観光客が各地から訪れる。

彼岸花
年は「彼岸花祭り」と「光の回廊」の催しが、9月16日から18日の3日間開催された。ただ、台風13号の接近で17日の午後から雨となり、光の回廊が点灯できなかったのは残念だ。

者はこの時期が来るのを楽しみにしている。昨年初めて、昼は彼岸花が彩りを添える古都飛鳥の田園風景を堪能し、夜は暗闇の中に姿を現した幻想の世界に酔いしれて以来、すっかりその虜になってしまった。今年も秋の到来を告げる明日香村の光景をデジカメで記録した。その一部を以下で紹介しよう。



古都の田園風景を鮮やかに彩る彼岸花の放列

田の畦を埋め尽くし彼岸花たち
田の畦を埋め尽くし彼岸花たち

岸花とは良く言ったものである。自然の時計で計ったように、秋の彼岸ごろになると大地の中からスクスクと茎を伸ばしてくる。そしてその頂きに燃えるような赤い花を咲かせる。無縁墓や野仏の周りに咲いている姿を見かけると、まるで自然が人間に代わって花を供えているようだ。

岸花は雄株、雌株の区別が無く種子で増えることができない。中国から伝来した帰化植物で、日本各地に株分けの形で広まったと考えられている。田んぼのあぜ道や土手に多くみかけるのは、 彼岸花の毒性のある球根を植えることで、ノネズミがあぜ道や土手に穴を開けるのを防ぐためと言われている。

彼岸花
の説もある。彼岸花の根茎は強いため、田んぼのあぜ部分に植えてあぜの作りを強くするためだそうだ。その他にも、彼岸花の球根の毒は水にさらして抜くことが可能であり、澱粉に富むため古くは田畑の畝に植えて救飢植物として食用とされたという説もある。

岸花が咲いている時、その根本を調べてみると面白いことに気づく。他の草花と違って葉がないのだ。彼岸花は花が咲いた後で線形の細い葉を伸ばしてくる。したがって、花と葉を同時に見ることはできない。周囲の雑草が枯れ果てた冬の時期に、葉は太陽の光を浴びてせっせと栄養を球根に貯め込んで、翌春になると枯れてしまう。開花期には葉がなく、葉があるときは花がない不思議な植物である。

岸花は別名を曼珠沙華(まんじゅしゃげ)という。法華経の中の梵語に由来する名前で、"天上の花"と言う意味だそうだ。万葉集では"いちのしの花"と呼んでいる。何はともあれ、古都飛鳥の田園に群生する彼岸花は、古都の風景の他では見られない彩りを添えている。筆者は石舞台付近に植えられた赤と白の彼岸花が好きである。


■飛鳥寺
飛鳥寺遠望 飛鳥寺の風景に華を添える彼岸花
飛鳥寺遠望 飛鳥寺の風景に華を添える彼岸花

■石舞台
白い彼岸花 白い彼岸花越しに見る石舞台
石舞台を見下ろす丘で見つけた白い彼岸花 白い彼岸花越しに見る石舞台
赤い彼岸花と石舞台 萩に埋もれた彼岸花
赤い彼岸花と石舞台 石舞台近くで萩に埋もれた彼岸花

■稲淵の棚田
稲淵の棚田−1 稲淵の棚田−2
稲淵の棚田−1 稲淵の棚田−2



稲淵の棚田の中に点々と立つ愛らしい案山子(かかし)たち

日香村の稲淵地区は、日本の稲田百選にも選ばれている風光明媚な場所である。その稲淵地区の飛鳥川に架かる勧請橋の下から下流に向かって「案山子ロード」呼ばれる遊歩道が続く。毎年この遊歩道に沿って案山子が立てられコンテストが行われている。11回目になる今年のテーマは「夢」。稲田のオーナーや地元の人たちから全部で59の出展があったそうだ。見学者の投票で今年度の優勝作品を決める。

山子たちは、黄色く色づいた稲穂や畦道に咲く彼岸花を背景にして、案山子ロードに並んで立っている。一つ一つの案山子が暖かく見学者を迎えてくれるのが人気なのか、この時期、彼岸花の撮影を兼ねて多くの人々が見学に訪れる。「夢」というテーマにふさわしく、ほのぼのと心温まる作品が今年は目立った。ガイドブックに載っていない不思議な世界に迷い込んだ感じを受ける場所である。

案山子ロードに並ぶ作品 彼岸花の脇に立つ案山子
案山子ロードに並ぶ作品 彼岸花の脇に立つ案山子

作品例−隠れんぼ 作品例−月に夢見る
作品−隠れんぼ 作品−月に夢見る

作品例−稲淵山 作品例−案山子夢曼荼羅
作品−稲淵山 作品−案山子夢曼荼羅



「光の回廊」が演出する古都飛鳥の幻想の世界

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葛城山の彼方に沈む夕日 (2006/09/18 撮影)


飛鳥集落に点灯された光の回廊
飛鳥集落に点灯された光の回廊
城山の彼方に夕日が沈むと、夜のとばりがあっという間に山間の明日香村に押し寄せる。すると、村内の主な道路の両脇に並べられたロウソクや灯籠に火が入り長々と続く光の放列となって、人々を幻想の世界に誘い込む。

日香村は、9月16日から18日の夜の6時から9時まで、3年前から恒例となっている「光の回廊」を村内で演出する。今年は17日の夜だけ台風13号の影響で雨になり幻想の世界を実現できなかった。

れでも、16日と18日の夜は、明日香を訪れた多くの観光客が光の饗宴に酔いしれた。板蓋宮跡や飛鳥寺、石舞台など多くの観光スポットがライトアップし、無料で参観することができた。

■飛鳥資料館
亀石のレプリカ 庭に置かれた石人像のレプリカ
庭に置かれた亀石のレプリカ 庭に置かれた石人像のレプリカ

■飛鳥寺
飛鳥寺の山門 駐車場の端に並べられたロウソク
飛鳥寺の山門 駐車場の端に並べられたロウソク
飛鳥寺の本堂 本堂のおわす飛鳥大仏
飛鳥寺の本堂 本堂におわす飛鳥大仏

■万葉文化館と亀形石造物
万葉文化館 亀形石造物
万葉文化館の玄関 亀形石造物

■伝板蓋宮跡
万葉文化館 亀形石造物

■石舞台
石舞台古墳 石舞台古墳
石舞台古墳(西側より) 石舞台古墳(東側より)

■橘寺
橘寺の本堂 橘寺の観音堂
橘寺の本堂(太子堂) 橘寺の観音堂

■川原寺
川原寺 川原寺の跡地に飾られた火の鳥
川原寺 川原寺の跡地に飾られた火の鳥

■国営飛鳥歴史公園 (高松塚地区)
高松塚地区の広場に並べられた光の回路 展望台から見下ろすと・・・
高松塚地区の広場に並べられた光の回路 展望台から見下ろすと・・・朱雀

■(参考)日中に見た光の回廊
高松塚地区に並べられたロウソクの列 伝板蓋宮跡に並べられたロウソクの列
高松塚地区に並べられたロウソクの列 伝板蓋宮跡に並べられたロウソクの列



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