倭古京が地下に眠る明日香の秋は、どこにもある農村風景。されど・・・
ときどき明日香の魅力は何なんだろう、と考えることがある。6世紀末から7世紀にかけて、明日香に都が営まれたことは、知識として知っている。都といっても平城京や平安京に対して描くイメージとはほど遠い。せいぜい何代かに渡って天皇の宮居があったにすぎない。だが、現在の明日香には、そうした宮の面影を残す建物は何も残っていない。
 |
| 向原寺の境内にて |
宮跡はすべては田園の地下に埋もれてしまって、現在の明日香には古びた寺がいくつか点在するだけだ。盆地の中央に稲田が広がり、民家は盆地を囲む丘陵の山麓に甍を並べている。何処の田舎でも見かける農村と変わらない風景がそこにはある。でも、何かが違う。
明日香は心の目で見る観光地です、とはよく言ったものだ。田園地帯を縦横に巡る遊歩道を散策しながら、ふと立ち止まって目を閉じると、忽然と1400年の昔にタイムスリップすることが可能である。ひなびた飛鳥寺や川原寺が壮麗な七堂伽藍に変わり、川原石を敷き詰めた板蓋宮跡が天武天皇の飛鳥浄御原の壮大な宮殿に変わる。そして、寺院や宮殿の間を縫って吹く明日香風に乗って、楽しそうな采女たちの話し声が聞こえてくる。これほど豊饒な気持ちを味わわせてくれる土地は他にはあるまい。それが明日香の魅力なのだろう。
小生が橿原のアパートに戻ってくるたびに、まず訪れたくなるのは明日香である。まるで強烈な磁力線に引き寄せられるように、気づいたときには愛用のチャリンコを駆って明日香に向かっている。前回訪れた9月は、彼岸花が咲き乱れた華やかな明日香の田園風景を堪能した。あれから約2ヶ月が過ぎた明日香村は、稲刈りがすっかり終わって、行く秋を惜しむような景観をあちこちに見せている。
以下は、本日秋風に誘われて明日香を訪れ、デジカメにおさめた晩秋の明日香である。
(注 写真にマウスポインタを当ててクリックすれば、写真を拡大表示することができる)
 |
 |
| 伝小墾田宮跡 |
橘寺 |
 |
 |
| 甘樫丘遠望−1 |
甘樫丘遠望−2 |
 |
 |
| 飛鳥寺−1 |
飛鳥寺−2 |
 |
 |
| 石舞台−1 |
石舞台−2 |
 |
 |
| 万葉文化館の万葉庭園 |
耳成山(左)・香具山(右)を望む |
|