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若き日の鎌足と入鹿の心の軌跡を辿ったドラマ仕立て?
西暦645年、天皇家をもしのぐ強大な政治勢力を誇示する蘇我本宗家が、中大兄皇子(なかのおおえのみこ)や中臣鎌足(なかとみのかまたり)らを中心とするクーデターによって滅ぼされた。そのクーデターに端を発して実施された、中央集権政治を目指す一連の改革を「大化改新」と呼んでいる。だが『日本書紀』の記述通りに改新政治が行われたかどうかは、疑問な点もある。「大化改新」はなかったとする説もある。 なにはともあれ、板蓋宮で決行された蘇我入鹿(そがのいるか)誅殺は、「大化改新」のハイライトシーンと言って良い。『日本書紀』の編者は、まるで現場に居合わせたように当日の事件の推移をリアルに描かれている。 したがって、最大のクライマックスを入鹿誅殺の場面に持って行くために、どんなドラマの構成になるのか興味があった。トークショーでは、脚本家の池端俊策氏、政策統括・演出の片岡敬司氏、それに漢直(あやのあたい)役の大八木淳史が出演した。予告編や出演者の横顔をスクリーンで映し出しながら、制作のさまざまな裏話を話してくれた。 中臣鎌足の伝記とも言える「藤氏家伝」(「大職冠伝」ともいう)では、唐から帰国した僧旻(みん)の私塾で鎌足と入鹿が共に学び、鎌足の業績を讃えた藤原氏も、入鹿が極めて優秀であったことを認めている。この点に着目した脚本家の池端氏は、二人を仲の良い同級生として捕らえ、夢多き青年の青春ドラマに仕立てているようだ。
実際のドラマを見るまで、この作品の評価はさだまらない。だが、演出家の片岡氏の言葉が気になった。正月休みのゴールデンアワーに放映を予定しているため、家族みんなで楽しめるドラマ仕立てになっているとのことだ。娯楽性を重視するあまりに、史実の持つ重みが伝わらないドラマになっていないか心配だ。本来ならば、大化改新の主役は中大兄皇子のはずであるが、このドラマではどうも脇役にされているようだ。中大兄皇子をキーマンとすることで、別のストーリ作りもまた可能であろう。 写真は、NHK作成パンフより転載 |