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国際シンポジウムと銘打っているだけあって、基調講演は中国の大鐘寺古鐘博物館の全錦雲女史、韓国の国立春川博物館の崔応天氏、そして日本の飛鳥資料館の杉山洋氏が行った。その他に、妙見山麓遺跡調査会の神崎勝氏が「鋳造技術とその変遷」について、また枚方市文化財研究調査会の吉田晶子氏が「梵鐘鋳造の民族技術」について、それぞれ個人研究を発表された。
なにはともあれ、中国、韓国、日本の3講師のスライドを駆使した基調講演は、各国の梵鐘の違いを知る上で非常に参考になった。備忘録としてポイントとなる内容を以下に示しておく。 |
「中国古代の梵鐘文化」 − (中国)大鐘寺古鐘博物館 全錦雲中国の梵鐘の起源
●漢代以降、それまでの青銅文化が衰えていったのに伴い、礼楽の中核的な媒体だった箱瓦形の青銅製編鐘に代わって、口縁部が円形の正円体鐘が現れた。これを人々は「梵鐘」と呼び習わしていた。 梵鐘の地方的特色
中国の古鐘の造形上の特徴は、長江を境として南北2つの大きな体系に分けることができる。
古鐘の用途
漢以来の正円体鐘が梵鐘と呼ばれてきたのは、それが広く仏鐘として使われてきたのが主な原因であるが、同様に道鐘、朝鐘、時報鐘としても使われてきた。
●仏鐘は、もっぱら寺院や仏教徒の使用に供せられた。僧侶を招集したり読経や勉学の時間を知らせたり、起床や就床、食事の招集の際にも必ず鐘が撞(つ)かれた。 鐘を撞く回数は108回と決められている。108という数字には神秘的なニュアンスが含まれており、「吉祥」「崇高」「人生の悩みをすべて払いのける」という意味を表している。先秦以来、中国文化は「9」を至高至尊の数としてきた。「9」の12倍は「108」なので「9」に含まれている意味を極限まで推し進めていくと「108」になる。一方、仏教は、人には108の煩悩があり、鐘を108回撞けば悩みをのぞき去ることができると考えてきた。 |
「日本の梵鐘の特徴と変遷」 − (日本)飛鳥資料館 杉山 洋
●飛鳥時代の梵鐘は妙心寺鐘、観世音寺鐘、当麻寺鐘、法隆寺西院鐘、およびその可能性のある大峰山鐘を加えても5例しか現存していない。この時代の鐘はいずれも口径に比べて全高の高い細長い形を特徴とする(法隆寺西院鐘を除く)。撞座の位置も高く、鐘身の下から1/3付近に位置する。上帯と下帯に文様を持つ。 |
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出典: 国際シンポジウム「東アジアの梵鐘」のレジメ |